執筆講演

執筆講演 - 建築コラム

建築と絵画・岩崎美術サロンと遊馬画伯との出会い

遊馬正画伯近影
[遊馬正画伯近影]

一昨日、日本橋三越にて遊馬正画伯(旧制粕壁中学39回卒)展を拝見しました。そのおり画伯との会話の中で故岩崎孝一先生(粕中34回卒・元同窓会事務局長)が話題になりましたので、思い出したことを述べます。

仕事を済ませての帰り道、春高(埼玉県立春日部高等学校)に寄って中村行生先生(高05回卒・同窓会事務局長)との歓談中、コンサートの帰りに立ち寄られた岩崎孝一先生とお会いしました。昨年10月のことです。理科の先生だったことは覚えていましたが高校時代にはほとんど接する機会に恵まれませんでした。話によると現在画廊喫茶をやっているとのことでした。退職後、当時建築中のビル(東武動物公園駅東口から50メートルの右側にある)で喫茶店をやる予定でしたが、ひと味違う喫茶店にしようと模索中であったこと、3階は地域社会と関わりの持てる文化的なスペースの創造を考えておられたとのことでした。そのきっかけとなったのが私の出身地、茨城県古河市に在った画廊喫茶だというのです。話は進み、絵画から、美術芸術、建築論にまで達しました。


遊馬正画伯作品
[遊馬正画伯作品]

私は建築を考えるとき、どの壁にどのような絵画を掛けようか、あのコーナーにどんな彫刻を置こうか、草花の位置は、照明はどの位置から当てようか、あるいは食卓にはどんな食器が似合うか、ソファーの色は、床の間にはどのくらいの掛け軸を掛け替えるのか、四季折々の花はどのように飾るか、座布団の柄は、植木はどこに、他に何か置きますか等と、建築主と打ち合わせをすすめます。

絵画を一枚も飾らない建物、植木のない建物などは考えられません・・・などと持論を展開しますと、先生からも美術論が語られ、時のたつのも忘れおおいに議論したのが思い出されます。意気投合し帰りには先生の所に寄らせていただきコーヒーを御馳走になりました。そのおり、遊馬正先生の絵画に出会いました。この時の印象は深いものがありました。川辺に咲く桜の花は見事でした。温かみのある、見ていて本当に心和む絵でした。とても綺麗で美しい絵でしたが、奥深い意思の感じられる絵でした。今年1月、岩崎先生は帰らぬ人となってしまいました。

今回の遊馬先生の数多くの作品を拝見し、この絵はここに、あの絵はあの壁に掛けたいな・・・などと勝手に決めていました。そして岩崎先生のことがあらためて思い出されました。ご冥福をお祈りします。